現在、報酬や料金、契約金又は賞金に係る源泉徴収は次のように定められています。
法第二百四条第一項第一号(源泉徴収義務)に規定する政令で定める報酬又は料金は、テープ若しくはワイヤーの吹込み、脚本、脚色、翻訳、通訳、校正、書籍の装てい、速記、版下(写真製版用写真原板の修整を含むものとし、写真植字を除くものとする。)若しくは雑誌、広告その他の印刷物に掲載するための写真の報酬若しくは料金、技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料、技芸、スポーツその他これらに類するものの教授若しくは指導若しくは知識の教授の報酬若しくは料金又は金融商品取引法第二十八条第六項(通則)に規定する投資助言業務に係る報酬若しくは料金とする。
では、昨今の世の中で需要が増加している「SNSの運用代行」を個人に依頼した時、報酬に対して源泉徴収は必要なのでしょうか。
「SNSの運用代行」について、運用方法は主に2つのパターンが考えられます。それは、投稿の元となる文章を依頼主が用意するパターンと、個人が文章を一から作成するパターンです。
文章を依頼主が用意するパターン
前者では、依頼人が用意した文章を個人が加筆修正してSNSへ投稿する流れとなります。上記項目では脚色・校正が挙げられており、加筆修正がこれらにあたると解釈するのであれば、源泉徴収が必要と考えることもできます。
個人が文章を一から作成するパターン
後者では、個人が投稿用の文章を全て考えているため、報酬は原稿料であると解釈でき、その場合は源泉徴収が必要と考えられます。
しかし、税法上規定されている源泉徴収が必要な報酬の中に「SNSの運用代行」そのものは含まれていないため、源泉徴収は不要とも考えられます。
まとめ
以上のことより、SNSの運用代行に関する源泉徴収について、解釈次第で必要とも不要とも考えることができます。現状、このような新しい業態には法令が追いついておらず、個々人で解釈が異なる場合があります。そのため、源泉徴収が必要かそうでないかは、その都度判断を行わなければならないでしょう。
その他、動画や写真に関する源泉徴収については、こちらの記事をご覧ください。