はじめに
事業継承や会社の現在価値を把握するため株価評価をします。
株式の贈与を行う場合には、株価評価により算出した1株当たりの株価を基に贈与価額を計算します。
株式はその会社の経営成績などにより、発行価額より価値が増減します。
事前に株式の所有者の意思を反映し、事業継承を円滑に行うことや相続税対策のためにも、事前に株価を知っておくことが重要ですので、株価の評価を行っています。
ポイント
上場されていない会社にとって『株価』といわれてもピンとこないかもしれません。
会社を設立する際には発行株式数を決め、資本金の金額を決めます。
この『資本金 ÷ 発行株式数』が発行価額となり、会社のスタート時点の『株価』となります。
その後、会社の利益状況により内部留保が増えていけば会社の価値を示す『株価』は上がっていき、一方、赤字が続き内部留保がマイナスとなれば株価は下がっていきます。
株主にとっては『持株数×株価』が財産となります。
自分が今持っている会社の株はいくらの価値があるのかを把握することが株価評価のまず一つ目の目的です。
株式は相続発生時には相続財産として相続税の対象となるため、株式の財産価値に応じて必要となれば株価を下げる、生前贈与をするなど相続対策をとることができます。
株価評価の二つ目の目的は事業承継対策です。
株式には基本的には1株につき1議決権があり、その持株割合に応じて会社の経営への影響力が変わってきます。
適正な会社運営を行なっていくためにも、事業を『誰に、いつ』引き継ぐのかはとても重要です。
事業を引き継ぐというのは、ただ社長を交代するということではなく、会社の株式を引き継ぎ、経営権を承継するということです。
いざというときに会社の運営に支障をきたさないよう、株主を整理しておくことや納税猶予制度を適用するなどの対策をとることができます。
澁谷税理士事務所のしている事
決算終了後、必要に応じて株価評価を行なっています。
株価の算定は原則的には課税時期時点(贈与や相続があった日)の価額ですが、簡便的に課税時期の直前期末時点の価額でも良いとされています。
そのため、相続対策や事業承継対策などの提案をさせて頂く顧問先様には決算後に株価の計算を行います。
その計算した株価を基に、相続対策や事業承継対策についてアドバイスさせて頂きます。
単に税金が安くなるということだけに重きを置くのではなく、顧問先様のご要望に沿った対策ができるようしっかりお話を聞いた上で一番良い方法をご提案致します。
相続や事業承継について少しでも不安や疑問がある場合は、ぜひご相談ください。
経理ご担当の方にお願いしたいこと
適正な株価評価をするためには、資産・負債の適正な相続税評価額を算定することが必要となります。
土地や建物の固定資産税の課税明細や会社契約の保険に関する資料など、会社の資産・負債にかかる様々な資料のご準備をお願い致します。
また、課税時期の資産・負債の状況についてもお尋ねすることになると思います。
ご協力よろしくお願い致します。