住宅ローン控除で税金が全額控除されたら、定額減税に影響するのでしょうか?

そもそも、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税等から控除する仕組みです。これにより、住宅を購入した人の税負担が軽くなります。

一方で、定額減税も年末調整や確定申告の際に、年間の所得税額から減税額相当額を控除する仕組みです。このように、どちらも「税金から控除する」という点では似ていますが、実際に住宅ローン控除を受けて税金が全額控除された場合、定額減税の扱いはどうなるのでしょうか?

この記事では、住宅ローン控除が定額減税に与える影響と、調整給付について説明します。

 

住宅ローン控除によって定額減税で受け取る還付金は減ってしまう?

通常、住宅ローン控除では、年末調整で算出された所得税額から住宅ローン控除を差し引くことで年調所得税額を計算し、払いすぎた源泉所得税が還付金として返ってくる仕組みです。この流れは、確定申告の場合も同様です。

一方で、定額減税は、源泉所得税額から定額減税額を差し引く形で適用されます。そのため、定額減税がない年と比較すると、払いすぎた源泉所得税額が少なくなり、還付金が減ってしまうのではないかという懸念が生じます。

しかし、住宅ローン控除によって定額減税の恩恵をすべて受けられなかった金額については、「調整給付」によって補填されます。そのため、住宅ローン控除が適用されたとしても、還付金が減ることはありません。

この仕組みによって、住宅ローン控除と定額減税の両方のメリットをしっかり受けることができますので、安心して適用を受けることができます。

調整給付はいつ払われるのか?

住宅ローン控除後の所得税額よりも定額減税の方が大きい場合、調整給付が行われるのですが、これはいつどのようになされるのでしょうか。

この点、どの自治体においてもまだ未定のようですが、年末調整の実施後、給与支払報告書を会社側から市区町村に発送されるのが、令和7年1月末ごろとなりますので、市区町村としては、それが来ないことにはやりようがありません。

また、実務的には、確定申告期限が令和7年3月17日(月)となり、その後、その確定申告情報が各市区町村に届くことになります。

例年ですと5月頃に、各自治体から「住民税の納税通知書」がそれぞれの事業所(勤務先)に発送されています。

よって、令和7年5月か6月頃に、給付手続きが始まるものと思われます。

 

参考に、八王子市と岡山市のページを、以下に掲載しておきます。

住宅ローン控除の適用を受けられている方への八王子市調整給付金(定額減税補足給付金)のご案内|八王子市公式ホームページ

定額減税補足給付金(調整給付)について ※受付終了しました _ 岡山市