2024.10.13
相続税の負担を軽減するために「生前贈与」という方法が注目されています。
特に不動産は金額的に大きな資産であり、相続時の税金が高額になることもあるため、計画的に生前贈与を行うことで税負担を抑えることが可能です。
不動産の生前贈与のメリットや注意点、そして「相続時精算課税制度」について解説します。
生前に財産を贈与することで、相続財産の総額を減少させ、結果的に相続税の負担が軽くなります。
特に、不動産は評価額が高いケースが多いため、事前に贈与することで相続税対策に効果的です。
ただし、生前贈与の時の贈与税には注意が必要です。
相続時に不動産を分けることは難しいですが、生前に計画的に贈与を行うことで、相続人間でのトラブルを未然に防ぐことができます。
贈与税には年間110万円の基礎控除があります。
毎年少額ずつ不動産の持分を贈与することで、贈与税を抑えることも可能です。
ただ、不動産移転時の登記費用や不動産取得税も計算に入れておきましょう。
生前贈与を行う際、選択肢の一つとして「相続時精算課税制度」を活用する方法があります。
この制度は、贈与の年の1月1日において60歳以上の親や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与に適用されます。
通常の贈与税が発生するのではなく、次の特徴を持っています。
相続時精算課税制度を利用すると、贈与税の基礎控除(年間110万円)を超える贈与にも対応でき、累計で2,500万円まで贈与税が非課税となります。
この金額を超えた場合には、一律20%の贈与税がかかります。
贈与された財産は、相続時にその金額が加算され(※)、最終的な相続税額が計算されます。
そのため、「相続時に精算する」制度として設けられています。
※令和6年1月1日以降の贈与については、年間110万円部分は控除されます。
この制度を活用すれば、大きな財産である不動産を相続人に早めに引き継ぐことができ、相続時に必要な手続きや争いを未然に防ぐことができます。
相続時精算課税制度を利用すると、最終的に相続税の計算に贈与した財産が加算されます(※)。
そのため、贈与のタイミングや相続税の全体像を見据えて計画することが重要です。
※令和6年1月1日以降の贈与については、年間110万円部分は控除されます。
一度、相続時精算課税制度を選択すると、その後は毎年の贈与についてもこの制度が適用されるため、慎重に判断する必要があります。
相続時精算課税を選択する場合は、原則として、贈与税の申告書の提出期間内に「相続時精算課税選択届出書」を受贈者の納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。
その他にも様々な注意点があります。
実行に移す前には、以下の資料などが参考になります。
生前贈与は、将来の相続税対策として非常に有効な手段です。
不動産のような高額な資産は、相続税対策の観点からも早目に贈与を検討する価値があります。
特に「相続時精算課税制度」を活用すれば、大きな財産を非課税で移転できるチャンスがあり、計画的に活用することで相続時の負担を軽減できます。
ただし、制度の選択や贈与のタイミングについては、専門家との相談が不可欠です。
ご自身の状況に合わせた最適なプランを、検討しましょう。
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