相殺の領収書に印紙は必要なのでしょうか?
例えば取引先に対して
未回収の金額と未払いの金額の両方がある場合に、
双方を相殺する領収書を発行した場合は、どうなのでしょうか?
答えから言いますと、印紙は要りません。
第17号文書に掲げる金銭又は有価証券の受取書とは、
金銭又は有価証券の受取書の引渡しを受けた者が、
その受領事実を証明するために作成して
その引渡者に交付する証拠証書をいうものとされています。
今回の例のように債権と債務を相殺した場合に、
その事実を証明するために領収書を作成することがあります。
この領収書は、「領収書」と表示されていますが、
現実には金銭又は有価証券の受領事実はないのですから印紙税法上の受取書には該当しないわけです。
印紙税が必要な場合
ところが、たとえ相殺の事実を証明するために作成される領収書であっても、
その事実が文書上明らかでないときには、
金銭又は有価証券の受領事実を証明しているとみられますので、印紙税が必要です。
よって、相殺の事実を領収書の但し書きにおいて明らかにする等の処理が必要です。
なお、一部の金額については相殺とし、
残りの金額を金銭等で受領したことの文書は、
その残りの金額についての印紙税が必要です。