各種減額措置等(納税猶予の特例の適用を受けていることが条件)
①有価証券等の譲渡価額が国外転出の時の価額よりも下落している場合
納税猶予期間中に国外転出時課税の対象となった有価証券等を譲渡した場合で、
その譲渡価額が国外転出の時の有価証券等の価額よりも下落しているときは、
その下落した価額で国外転出の時に譲渡したものとみなして、
国外転出時課税の申告をした年分の所得税を再計算することができます。
この場合には、その譲渡の日から4ヶ月以内に更正の請求をする必要があります。
②納税猶予期間の満了日の対象資産の価額が国外転出の時の価額よりも下落している場合
納税猶予期間の満了日において、国外転出の時から引き続き所有等している
対象資産の価額が国外転出の時の価額よりも下落している場合には、
国外転出の時に納税猶予期間の満了日の価額で譲渡等したものとみなして、
国外転出時課税の申告をした年分の所得税を再計算することができます。
この場合には、その譲渡の日から4ヶ月以内に更正の請求をする必要があります。
③外国所得税との二重課税が生じる場合
国外転出時課税の申告をした方が、納税猶予期間中に国外転出先の国で
対象資産を譲渡等した場合において、
国外転出先の国が国外転出時課税による課税に伴う二重課税を調整しない国であるときは、
外国税額控除を適用することで、国外転出時課税により課された所得税と
国外転出先の国で課された外国所得税の二重課税を調整することができます。
この場合には、外国所得税を納付することとなる日から4ヶ月以内に
国外転出時課税の適用を受けた年分の所得税について更正の請求をする必要があります。
④ 5年以内に帰国した場合
国外転出時課税の申告をした方が国外転出の日から5年以内に帰国をした場合、
その帰国の時まで引き続き所有等している対象資産については、
国外転出時課税の適用がなかったものとして、課税の取消しをすることができます。
この場合には、帰国をした日から4ヶ月以内に更正の請求又は修正申告をする必要があります。
国外転出される方は、日本にいるうちにご自身の所有資産についての把握が重要となります。ここが曖昧のまま国外転出してしまうと予期せぬ納税負担がかかってしまいます。必要な申告を行い、適切な納税猶予や減額措置等を受けるようにしましょう。