合算税制の対象となる子会社等(外国関係会社)とは、
居住者又は、内国法人によって発行済株式の50%を直接又は間接に保有されている
外国法人のことを言います。
特定外国子会社等とは、外国関係会社のうち、租税負担割合が20%未満の国に所在する外国関係会社のことを言います。
特定外国子会社等の株式を直接又は間接に10%以上保有している場合に
合算課税を受けます。
しかし、その場合であったとしても、特定外国子会社等が独立企業としての実態を備え、
かつ、それらの会社がその地において事業活動を行うことに十分な経済的合理性があると認められる場合(いわゆる経済活動基準を満たす場合)には、合算課税は受けないこととされています。
経済活動基準
①事業基準(主たる事業が株式の保有等、一定の事業でないこと)
②実体基準(本店所在地国に主たる事業に必要な事務所等を有すること)
③管理支配基準(本店所在地国において事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること)
④次のいずれかの基準
(1)所在地国基準(主として本店所在地国で主たる事業を行っていること)
(2)非関連者基準(主として関連者以外の者と取引を行っていること)
経済活動基準をすべて満たす場合であっても、実態的活動のない事業から得られる所得については、内国法人等の所得とみなし、それを合算して課税しなければいけません。
ただし、事務負担に配慮し、外国子会社等の租税負担割合が一定(ペーパー・カンパニーは30%、それ以外の外国子会社等は20%)以上の場合には合算課税の適用が免除されます。(下記イメージ図参照)
以上、外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の概略を説明してきましたが、
実務的には判断の難しい部分も多く、また、税負担軽減の意図がないにもかかわらず、
合算対象になってしまう場合もありますので、十分な注意が必要です。