【2012年10月14日】
移転価格税制における独立企業間価格の
ドキュメンテーションについてご説明します。

そもそもドキュメンテーションとは、
「文書」又は「文書を作成する(文書化)」を指します。

国際税務の世界においては、
「移転価格税制上の独立企業間価格の算定に必要な書類を作成すること」を
「ドキュメンテーション」といいます。

移転価格税制では、
税務当局が、法人に対して
独立企業間価格の算定の基礎となった資料の提示又は提出を求めたにもかかわらず、
当該法人が遅滞なくその提示又は提出をしなかった場合には、
税務当局に独立企業間価格の推定課税をすることができる旨を規定しています。
しかし、我が国の場合には、
法人がドキュメンテーションを確実に行っていれば、
推計課税やシークレットコンパラ(注1)を用いた課税を受けることはありません。
また、ドキュメンテーションをしておくことにより、
税務調査時の
内国法人及び国外関連者にとっての
事務労力や税務調査期間は格段に短縮されることになります。
(注1)シークレットコンパラとは、
通常、一般の法人では知ることができない第三者間の取引価格の情報も、
税務当局であれば収集することができます。
そしてその税務当局が収集した情報により
税務当局が独立企業間価格を算定することを
シークレットコンパラといいます。