【2012年9月3日】
タックス・ヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)には
適用除外規定があります。
と言いますのも制度の趣旨が租税回避行為の防止ですから、
実際にビジネス上の理由で、
たまたまタックス・ヘイブン国に子会社を設立している場合にまで、
この規定を適用させる必要性はないからです。
具体的には以下の①②③の全ての要件を満たしたうえで、
ⓐ又はⓑのいずれかの基準を満たせば、適用除外になります。
①事業基準・・・主たる事業が株式の保有等、
わざわざタックス・ヘイブン国でなくてもできる事業でないこと。
②実体基準・・・本店所在地国に主な事業に必要な事務所等を有すること。
③管理支配基準・・・②の事務所等で事業の管理・支配・運営を自ら行っていること。
ⓐ所在地国基準・・・主として本店所在地国で事業を行っていること。
(下記※以外の業種に適用)
ⓑ非関連者基準・・・事業を主として関連者(50%以上の持株関係)以外のものと行っていること。
(※卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業、航空運送業に適用)
特定外国子会社等のうち、
地域の海外拠点を事業面や物流面から統括する地域統括会社も
平成22年度税制改正において適用除外規定が見直され、
タックス・ヘイブン税制の対象から除外できるようになりました。
また、適用除外基準を満たす場合でも、
いわゆる資産性所得は
日本の親会社の所得に合算して課税されます。
ただし、資産性所得に係る収入金額が1,000万円以下の場合、
又は資産性所得が全体の所得の5%以下の場合には、
合算課税は行われません。