相続税対策として、預金を引き出しておくことは有効なのでしょうか?

亡くなる直前に多額の預金を引き出す例がよく見受けられます。

亡くなったことが銀行や郵便局に伝わると、
相続権の確認や他の相続人が納得しているのか等の証明が必要になり、
簡単には引出ができなくなります。
よってそうなる前に当面の医療費やお葬式の費用に充てるため、
引き出しておくことは確かに有効です。

しかし、相続や遺贈によって財産を取得した者が、
その被相続人(亡くなった方)から相続開始前3年以内に財産の贈与を受けている場合には、
その財産の価額をその者の相続税の課税価格に加算して相続税を計算するという規定があります、
結局は、亡くなる直前に引き出した現金も相続税の対象となってしまいます。
これを生前贈与加算といいます。

この辺りの申告漏れについては、
税務調査で必ずと言っていいほど重点的に調べられますので
しっかりと漏れのない申告をする必要があります。

また、相続人の間で相続分をめぐって争いがある場合なども、
当然引き出す前に戻して(特別受益の持ち戻し)協議が行われます。